味覚を取り戻そう! よもやま話 Since 2008.05.30
あなたの舌は本来の味を受け入れられるでしょうか?
不思議な味の世界とは。。
・私たちの舌や触感は、加工品に慣らされている?
・じゃあ、自分で作れば大丈夫?
・舌と視覚が本物を拒否して食べられなくなる
■私たちの舌や触感は、加工品に慣らされている?
興味のある方は、下の問いを考えてみてくださいね。
・缶コーヒー、ペットボトル大きさが段々小さくなってきたのはなぜでしょう。
ギュギュっと高品質な味を従来価格で提供するために、小さくなったのでしょうか。
宣伝ではいろいろなウンチクを謳っていますけど、成分表示に「香料」と示されていますが...。
でも、美味しいと感じるから自販機で買うのですものね。
※無香料で味、香りを追求されているメーカー様もあります。
・おいしいソバとは
テレビレポーターが、ここのソバは美味しいですね〜「シコシコして」...。というのを聞いたことありませんか。
触感が良い事も、もちろん美味しさの条件だと思いますが「ソバの風味がいいですね」とはあまり聞きません。
シコシコは、ソバ作りに必要なつなぎ素材からくるものです。
・味付け肉は安くて美味しいですね。
この調理方法は肉に付けた旨み調味料の風味や味が強いので「肉本来のうまみ」が打ち消されて
しまいます。
味付け肉は、肉の保存方法の一つとして利用されていますから、特に問題はありませんが、
悪い肉でも美味しく食べられるわけですから、肉の良し悪しは判りづらい事になります。
・買ってきたフライドチキンの衣を取って食べると、肉のうまみが出ておいしいですか?
本来、衣をとっても肉だけで風味豊かなコクのある味がするものです。
でも本来の味を知らなければ、これが当然の味と判断せざるを得ないのです。
鳥自体の大量生産による肉の風味や旨みの低下と、それを補う為に化学調味料が利用されている
現実があります。
・100% XXジュース。なのに成分表示には「香料」が...
果物の果汁が100%という意味であって、香料は添加物扱い。
でもうまいんだな〜、これが。
・トマト、トウモロコシの美味しいと感じる「価値基準」
味覚は、時代とともに変わっても良いと思います。
しかし、甘くてやわらかければ美味しいのでしょうか。
一昔前は、皮は少し硬く薄ピンク色で、酸味もあったトマトが流通していました。
個性のある味、香り、噛み応えのあるものも美味しいとは思いませんか。
私たちの舌や触感は、加工品や味付けに慣らされていないでしょうか?
私達は知らないうちにある味に慣らされ、素材の量を少なくされ薄められた食品類に
慣らされているかもしれませんよ〜。
「たれやドレッシング」は美味しさを引き立たせますが、素材そのものの良さ(味、香り等)を消してしまう
事が多く、多少ものが悪い食材でも、美味しく食べることができるのです。
もし、あなたの舌が本来の味を判別できるようになると、ものの良さ、悪さが判り自分で体に良い
食べ物を選択出来るようになります。
■じゃあ、自分で作れば大丈夫?
まずは、ある程度余裕が持てる日に、自分でつくってみましょう。
さて、あなたは作ったものを食べてどのようにお感じになりますか。
@ラーメンのメンだけ買って来て、カツオだしや野菜を入れてうまみを出して醤油ラーメンを作る
⇒ いつも食べているラーメンと違って「パンチが効いていない」味だと感じる。
Aカレーライスはカレー粉から、シチュウーは小麦粉を炒めるところから作ってみる。
⇒ 「こく」が出ず、「あっさりしすぎる」と感じる。胃にずっしり感がない。
@、Aは大量の塩、牛脂、化学調味料の味に慣れてしまっている可能性があります。
B・ジャムを作ってみた、ジューサーで野菜や果物ジュースを作ってみた。
⇒ 売っているものより香りが弱い、シャッキっとした味にならない。
これらは、商品に「香料」、「クエンサン」が入っているのが原因だったりします。
クエンサン自体は、体に良いものとされています。実際にクエンサンを水に溶かして飲むと、酸っぱいですが
コクを感じます(すっぱおいしい)。
C・自分の庭で育てた青ジソをヒヤムギに入れて食べてみた。
⇒ 葉に付いている毛が舌に障って食べられない。
育て方にも原因があるかもしれませんが、収穫後の本来の食感を知らない可能性もある。
D・ミョウガ、フキ、ウニ等の農産物や海産物が食べられなかった人が、あるお店で食べてから好きになった。
⇒ 旬の味を知らなかった。本物の味を知らなかった可能性がある。
E・畑で取れた野菜を頂いたとき、「匂いが強いからやだ」と奥さんに言われた。
⇒ 元気に育った野菜がもつ味、香りを知らなかった。又は香りが弱い品種に慣れていた可能性がある。
F真っ赤な採りたてトマト,イチゴやキュウリ,トウモロコシは、売っている方が美味しく感じる。
⇒大量生産に向いており、糖度や色の鮮やかな野菜類に私たちは慣れています。
自分の庭や畑で採れたてよりも、生産(収穫)されてから数日たって売られている野菜の方が美味し
く感じる事さえあります。
これらの多くはF1種(雑交 1代)というもので、固定種と呼ばれる昔から受け継がれてきたものとは違います。
まず、F1種から出来た種を植えても、同じ味、色、食感を持つものはまず出来ません。
F1種の種は、種子会社で作られており、前記の特徴があるため、生産者(農家)は、毎年種や苗を買わなければ
なりません。
消費者からすると、その種子会社が倒産したり淘汰されてしまうと、必然に固定種から出来た野菜類を
口にする機会が増え、本来の味や形を忘れてしまった現代人には、「美味しくない」、「がまんして食べよう」
という事にもなりかねません。
※固定種でも、美味しい野菜類も沢山あります
これからの食生活で何が問題になるかというと、自分達で作ったりご近所から手作りのものを頂いても
「舌と視覚」が拒否してしまい、新鮮でも「食べたくない・食べれない」という事が起こる事です。
もし舌を鍛えて本物の味を知ると
・化学調味料が多い料理と少ない料理の判別が出来るようになり、本来の美味しいものを求めるようになれます。
・ドレッシングをかけずにサラダを食べると、野菜の良し悪しが判ります(鮮度や甘みが感じられる)。
ええ〜とびっくりした方は、
舌鍛えプロジェクトを試してみてね。
食べたら植えようで参考にして備えるのもいいかも。
おしまい
参考文献
いのちの種を未来に 野口勲 著 創森社 ISBN978-4-88340-223-6
完全版 農薬を使わない野菜作り 徳野雅仁 著 洋泉社 ISBN978-4-89691-522-8