本来の視覚、味、香り を取り戻そう

セッタ君の奥さんは、不思議な能力をもっています。
食事をすると、化学調味料が多く入っているものと、僅かしか入っていないものを一口で判ってしまうのです。

当時セッタクンは、奥さんの言っている事が実感できませんでした。
一緒に食事をしていても、セッタクンには全く判らなかったのです。

話を聴くと奥さんは、小さい頃から「食材を吟味され、化学調味料を全く使わない食卓」で育ったそうなのです。
本来の風味や味を舌が知っているので、違いが判るというのです。

以下の内容をヒントにされて、ご自分のしたを鍛えてみませんか?


@ セッタクンの家庭は、家で料理を作る時は化学調味料を使わない生活をする事にしました。
 うどんや、素麺のたれは、カツオと昆布の合わせ出汁で作りました。セッタクンは時々料理を作るのが好きなのです。
 ※時間と手間が必要ですが、これが舌鍛えになります。

@外食やコンビにで買った調理品を食べると、奥さんは「化学調味料ビシバシだね」とか、
 これは「本来のいい味が出ているね」とか、「味が濃いから判別できないよ」などとコメントを聞きながら
 一緒に食べました。そうこうしているうちに、2,3年くらいでセッタクンもおおよそ判断が出来るようになりました

Bどう違うかというと、化学調味料は「平坦な旨み」で個性は無く、化学調味料が少ないものは出汁の風味が
 して、それぞれの出汁の特徴が判るようになりました。

Cカレーもシチューも「ルー」を買うのではなく、カレー粉、バター、小麦粉を使って作りました。
 初めはコクも無くベチャベチャな酷いものが出来ましたが、玉ねぎや野菜、醤油、塩などを使い、小麦粉を増やして
 粘りを出して作っていくうちに、味気ないと感じていたものが「以外に美味しいじゃん」と感じるようになり、
 逆に、市販のルーで作ったものは、しょっぱ過ぎで変にドロッとしているにの気がつきました。
 成分表示に「牛脂」が入っているためでしょう。

Dセッタ君は、プランターや市民農園で作物を作ることが好きです。
 苗や種から育てたトマト、キュウリ、葉物などは採りたてが一番美味しいく感じます。
 でも、奥さんは食べたくないと言います。「皮が硬い、色が薄い、見てくれが悪い」といいます。
 どうも奥さんは、店に陳列されている「形がそろい、美味しそうな色で統一された」いわゆる商品としての見てくれの良さに慣れているようです。

 セッタクンは初めて収穫されたものを食べた時、正直言って癖があって食べにくいと思いましたが、
 それよりも自分で育て、手塩にかけた収穫物なので「美味しい」と感じたがっている自分に気づきました。
 今では収穫したものは、店に陳列されているものよりはるかに美味しいと感じるようになりました。

Eセッタ君は何かのきっかけで牛さんのように、サラダにはドレッシングをかけずに、ゆっくりモグモグ食べるように
 しました。初めは味気ないのを感じながら食べていましたが、
 そのうち、サラダの鮮度が判るようになり(視覚と、萎び感)、元気を頂くという感覚が出てきました。
  そうこうしているうちに、旬のキャベツ、玉ねぎ、ホウレンソウなどは甘みを感じるようになりました。
   さらに、キャベツを水に入れてシャッキーンとさせたサラダか、鮮度がいいキャベツなのかも判るようになりました。


今では、流通では痛みやすいとの理由で市場に出ないが、家庭で作るととても美味しい品種が有るのを知り、
イチゴ、カキ等の果物系や、野菜系を探して栽培しています。
個性的な食べ物は、まだいっぱい存在するのですね。

栽培する種は固定種にこだわり、化学肥料を使わない「自然のまま」でどこまで美味しい農作物が
作れるのか、研究しています。


参考文献  ・「あてになる国の作り方」        井上ひさし著  光文社文庫 ISBN978-4-334-74468-7
        ・完全版 農薬を使わない野菜づくり  徳野雄二著  洋泉社    ISBN978-4-89691-8