生きた土を造ろう Last update 2008.02.26

 土を造るという楽しみ。
 やってみると、面白い。これぞ有機農法っていう感触をご家庭で実現できます。
 これで、おいしい野菜や草花などに活用できますね。

 腐葉土つくり   (漬物なんです....)

 土酵母つくり   (ニンジンを使った、びっくり仕込み)

 田んぼの土つくり (バケツ稲を育てている方にお勧め)

 ミミズ液肥、みみ糞 (究極の家庭用ゴミコンポスト)


 使用しながら土づくり

 ■雑草を有効利用しよう

 ・草むしりで採った草(健康そうなもの)を、土箱やプランターに敷き足してゆきます(すき込みはしない)。

 ・プランターに生えた雑草はそのまま放置。
  障害になる大きさになれば刈り込んで土の上に被せる
  草は草へ、木は木へ返す(木は可能な量だけ、小刻みにして土の上に敷く)。
  ※湿気を嫌う植物には、土の湿度管理には注意が必要です。

 ・ 育てている植物が、病気になった部位は摘み取って「燃えるゴミで捨てる」⇒感染源の隔離
  摘み取った時の接触物(手洗い、刈り取りはさみの消毒)を都度綺麗にする。

 ・病気の部位が大きい場合は、その土を捨てるか、熱消毒を十分に行ってから、土箱へ。
  (不安な場合は、捨てたほうが無難です)

 ■マメ科植物を植える

  マメ科の根には根粒菌が付き、土壌に窒素が固定されます。鉢の根元に植えると良いでしょう。
  直ぐに栽培している植物に良い影響が出るかどうかは、期待せずに楽しみましょう。
  根粒菌自体は、土がそれなりに肥沃にならないと、活発にマメ科の根と共生しないからです。

 
    【コオニユリの鉢に、レンゲを植えた例】     【アーモンドの鉢に、シロツメ草を植えた例】

 しかし、上の例の様にマメ科を植えておくと、以下の利点もあります。

 ・自然なマルチングになる。→ 強い日照りや、急激な乾燥を緩やかにしてくれる
 ・土の乾燥具合いの指標に使える。

 背の高い植物であれば、アカツメ草でも良いでしょう。
 セッタ君は、芭蕉の根元に「エダマメ」を植えましたよ〜。

 また、マメ科以外の雑草も生やしておくのもお勧めです。要は、その他いろいろな植物が周りに生やすと、
 多数の根が土中に発生し、土を耕し、伸びたりする事で土壌生物の偏りが少なくなります。

 雑草が枯れると、根や葉が土壌分解者によって、肥沃な土に替えてくれます。
 これは化学肥料や農薬により土壌生物が単純化した結果、栽培種の生育障害や弱病害虫化の悪循環に
 陥った環境から、均等の取れた土壌生物の環境へと導き、善玉、悪玉の均衡が取れて肥沃な土にする
 有機農法の1つなのです。
 ※窒素過剰になる傾向もありますので、液肥等を与える場合は、窒素分が少ないものをお勧めします。

 畑、プランター、鉢の土作りをするのは楽しんで行えるのでたいした問題になりませんが、大量に栽培する
 農家の方々等は、有機農法へ転換する場合、一時的(数年)な収穫減量による経済的な問題や、
 人手の問題もあり、成功例はいくつもあるのですが「現実的にどこまでこだわれるか」という
 難しい選択肢があります。


 残土の有効利用

 土箱や、コンポストで残土に落ち葉、家庭用ゴミ等を入れて発酵させ土壌中の善玉生物を増やします。
 「ぼかし」を作るのも、その方法の1つです。
 さまざまな書籍や、他のサイト様でも公開しておりますので、詳しくはそちらをご参考にしてください。

 ・土箱には、サクラ、松、柑橘系のものを入れない(発育抑止 成分があるため)。

 ・健康に育った鉢やプランターの残土は、土箱へ(心配なら、土ごと捨てましょう)。

 ・土酵母を時々土箱にすき込むと良い。

 ・時々土箱の表面の保湿状態を診て水を掛ける。上に新聞紙をのせて防乾するのもいいですよ。

 ★土箱の底付近は、秋から冬の時期に「根菜類」、「継ぎ穂」の保存に最適です。
  冷蔵庫でも根菜類の保存は可能ですが、乾燥しやすいので注意が必要です。


 清潔な土とは

 園芸関連の書籍を見ますと、「清潔な土に播いてください」と書かれています。
 「清潔」とは何を示すのでしょうか。
 一般的には、以下の点を示すようです。

 @ 「土壌中に、病原菌、菌糸、センチュウ類、小型動物等の分解者が居ない事
 A 他の種子が混ざっていない事

 @からは、種が芽吹いてからある程度の期間まで、上記の分解者に犯される事を防ぎ、
 Aからは、他種の発芽による影響を防いだり、発芽が目的の芽なのか否かを識別しずらくなるのを防ぐ等
 が考えられます。

 ですから、山林へ行って黒土などを採ってきても、清潔ではないのです。

 市販では、「発芽用の土」などがありますが、家庭でも清潔な土を簡単に作る事ができるます。
 それは、昔から行われている「太陽光殺菌」です。

  
        【残土】           【袋入れ】             【殺菌】

小さな鉢の土を殺菌するのなら、小さなビニル袋にそのまま入れ、夏なら2週間、冬なら1ヶ月くらい日の当たる
場所におくだけです。温室があれば、そこで日光に当てるとさらに効果的です。


 田んぼの土作り

 大先輩がいっぱいいらっしゃる分野です。
 稲等は、田んぼの土と川上から流れてくる、大自然の液肥(川)を利用する事で、循環型で輪作可能な
 栽培文化を育んできました。

 ここではバケツ稲を例にとり、川と繋がっていないバケツで輪作は可能なのか実験中です。
 小さいからこそ、人力で楽しみながら土作りにこだわります。

  
  収穫後に、バケツ底に       乾燥しないように水を適当に   水をさらに加え耕すと、意外にも
  米ぬかを一掴み入れて、     加えながら観察していると、    稲の根が殆ど無くなって来た。
  土をひっくり返し、スコップで    緑色の藻類が発生している。  嫌気発酵が進み、「ドブ臭い〜」。
  適当に刻んだ状態から、1ヶ月  2008.01.06            2週間に1回程度、水+耕します。
  2007.12.14                                 バケツの数分、それなりに体使います。

冬でも日差しが強いと、発酵が進みます。
生き物の這った後や、メタンガス?の噴出口らしきものが見えます。土は赤茶けてきますが、更に、水+耕しで直ぐに灰色の土に逆戻り。

分解力が強い様子なので、保存してあった米藁、ジュズダマ藁を砕いて、すき込んでみました。

※草が分解して無くなった後でも、さらに嫌気発酵が続きます。
 暖かくなると盛んになり、土を耕そうとするとまるでスポンジを水中で握った時の様に
 ぶくぶくと泡がでる状態が続きます。
 田植え時期になっても、ぶくぶく状態が続かないように、あまり多くのすき込みは
 控えた方が良いです(実験の結果より)。
2008.01.10


 ミミズを利用した液肥、肥料

 糸ミミズを使い電気を使用しないで、有機農法による、「液肥」や「追肥」が作れます。
 ミミズコンポストは、いわゆる家庭用ゴミをミミズ君に食べさせて、その糞や排出物を活用するものです。
 自作も出来ますし、市販のものを使うこともできます。
 最近は、市販のミミズコンポストでも地方自治体(市、町、村)で補助金が出る所が増えている様です。

 セッタ君は、キャノワーム(TM) を購入して、半額ほど市の補助を使いました。
 ミミズコンポストの管理の仕方は、他のサイト様をご参考にしてください。
 キャノワームの場合、個人輸入なら1万円くらい、日本で購入する場合は3万円前後くらいです。

 セッタ君は、家の中でも衛生上問題ない事を奥さんに証明するため、コンポストがある同じ部屋で
 寝ています。

   
     キャノワーム          どうしても小ハエは発生        蓋をあけると、ミミズ君がいます
   下に置いてあるのは     するので、不編布で覆う時も        (写真では見ずらいですが、
    液肥受けのコップ             あります。             上が子ミミズ、右が大人のミミズ

     

 エサは、家庭の生ゴミです。      早く分解するように、ある   コンポストの蓋を開け、
 柑橘系の果物、肉類は避けた方が  程度、刻みます。       新聞紙を剥がして、
 無難です。                                   刻んだものを投入します。



 最後に新しい新聞紙を重ね、
 霧吹きしてから、20〜40ml
 水を加えます。(セッタ君の場合)


参考 有機農業のコツの化学    西村 和夫 著
    事前農薬で防ぐ病気と昆虫  古賀 綱行 著