背丈サイズで果実をゲット!(植物君の不思議)
ベランダや、お庭に果樹があると生活に潤いが出てきますね。
いつ実がなるのだろうという期待感、日々成長し観ている側に安らぎも与える木。
でも、果樹は大きくならないと出来ないと言われ、
桃栗3年柿8年 ・ナシのべらぼう十八年
・ナシの馬鹿めは十八年
・ナシの大馬鹿十三年
・ユズの馬鹿めは十八年
・ユズの大馬鹿 十八年
・柚子は九年で成りかかる
・柚子は九年で花ざかり
・ウメはすいすい十六年
など、地方でいろいろな語り方が伝わってきました。。
本当に、大きくならないと実ができないのでしょうか。
いいえ。
今では、鉢植えや、庭植えでも工夫をすれば小さな背丈で実をならす事が出来るようになったのです。
(方法1)
多少値が張りますが、実付きの小苗が売っています。これをゲットしましょう。
ただし、今後の管理を注意しませんと、次の年に実が小さくなったり付かない場合もあります。
購入後の管理の仕方は、販売店の方に問い合わせる事をお勧めします。
(方法2)
植物君に大いなる誤解をしてもらう方法。
■大いなる誤解を与えるとは? (植物君の成長)
土が肥えどこまでも根が伸びる所では、植物君は自分の体を大きくする栄養成長(体作り)を優先させます。
やっと満足するまで体を大きくなったら、沢山実をつける生殖成長(子孫作り)に移る人が多いようです。
しかし生育条件を厳しくさせると、植物君は慌てて「速く子孫を残さなければ種が絶えてしまう」と心配する傾向があり、早い時期から生殖成長(子孫作り)に移り、果実の数は少なくても良質な(甘み、コク等)ものが出来る
事があります(トマトや、大豆などが有名)。
ヒントは、適度な生育条件に制限をつける事らしいのです。
では、具体的にはどのような方法があるのでしょうか。
■具体的な方法(ヒント)
1) 買ってきた苗を同じサイズの小鉢に植え替える。
→根が伸びるスペースが殆どないので、植えに伸びる勢いが萎える。
2) あまり肥料を与えない
肥料があると、どんどん栄養成長を行おうとしますが、それが無いと元気に伸びる事ができなくなる。
豆、トマト等の野菜,サクランボ等の果樹
3) 接木をする
植物君に重大な怪我が起こったと思わせて、生殖成長へ進みやすくなります。
また、台木自体が矮性種であればその影響を受けて、穂木も速くから実を生らせる可能性が大きくなります。
イランイラン、アボカド、マンゴー等熱帯植物や、柑橘、梅、桃、桜、等々の果樹、カボチャ、スイカ等の1年草。
※接木しやすい種と難しい種があります。
接木済みの苗を購入する方法が確実ですが、チェレンジして成功した時の嬉しさはヒトシオです。。
※柑橘類は、実生した木に実が付くまで13〜15年かかりますが、つぎ木した木に実がつくまで
1年目からでも可能です。「柑橘系にはまる」も参考にね。
4) 水の供給を少なくする
厳しい生存条件にする事により、生殖成長へ進みます(甘さにも良い影響があります)。
トマト、サクランボ、桃等。
水を少なくして、逆に枯らせないような管理が必要になります。
5) 枝を誘引する、踏みつける
強制的に、勢いの強い枝を誘引して主幹と平行にさせる。併せて、不要な枝を選定する。
ロープや、園芸用のワイヤで誘引する。
→ 根から吸収された栄養が枝全体に行き渡るようになり、下の方からも枝が出てくる事もあります。
これにより、苗が小さくても全体的に落ち着いた樹形になり易いです。
カボチャなどは、軽く鶴をふみつけると良い実が出来るそうです。
「子供に受粉させる方がとうまくいく」と言われています。
あとは、その種にあった剪定をするのもお忘れなく。
【桜桃(サクランボ)の誘引例】
理想は、1、2年苗から誘引したいところですが、
4,5年の太くなった幹で勢いの付いた枝が出ている状態で
発売している所が多いようです(写真)。
さらに、梅雨前,梅雨後と選定をして、樹勢を弱めている最中。
【レモンの誘引例】
実生苗の枝を、割り箸とワイヤで樹形を強制的に
変えている例。
これにより、横への広がりが充実して、最上部の
成長の勢いが弱くなります。
小さく纏まりのある、株になります。