メンタルへルス・マネジメント
過労による自殺、うつ状態、ストレスの増大などは社会問題にもなり、深刻な状況です。
「まさか、自分が」と思っている方でも、いつ、会社の体制変更や、人員削減等により、自分で労働環境を
コントロールできなくなるかもしれません。
ストレスの増大や、それにより起こる「心身症」、「うつ病」、「自殺」は、個人だけでなく、会社自体も
大きな損失(刑事、民事 訴訟対象等の費用の面 、ヒューマンリソースの損失、社会的信頼の
喪失)になります。
しかしながら、周りにそのような事例が起こっていない会社では、往々にして対策を講じない事が多く、
問題が起こってから、慌てて対策を取る事が多いのが現状です。
メンタルヘルスマネジメントは、心の健康を通常から大切に考え、予防できる環境、教育、体制等
を、どう実践するのかを考えるものです。
ストレス、心のケア は個人、組織で取り組む必要がとても大切です。
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■最近の統計から
・1ヶ月以上の求職者が67%
・労働者の2%以上が「うつ」に罹っているといわれている。 「安全衛生のひろば2005 May 5:職場のうつに気づこう」
・心の病になりやすい年代は、30代(49%)、40代(22%)。 「社会経済生産性本部 2004年発表」
・最悪の場合、自殺(年8000人)。 「社会経済生産性本部 2004年発表」
■ご自分のケア
「疲れた」と思ったら、ご自分で生活リズムの見直しや、休養を十分にとるべきなのですが、
残業が続くと、ある程度過労働に体が慣れてしまい、気にならない時期というものがあります。
以下のチェックリストで、ご自分の疲労度をチェックしてみてください。
労働者の疲労蓄積度チェックリストの公開 (2004/06/30 厚生労働省)
同 チェックリスト(労働者用、家庭用) (中央災害防止協会)
職業ストレス簡易評価票 (中央災害防止協会)
■管理者の取り組み方
・職場の管理者は、現場監督者として「安全配慮義務」が法的な義務としてあります。
・管理者や、同僚は個人の変化に気づき易いと言われます。
おやっと思ったらアクションを起こす必要があります。その為にも以下の事を普段から考えておきたいですね。
メンタルヘルスの知識の習得
人事(産業医)との連携
部下の指導
相談体制の整備
プライバシーへの配慮
・部下の異変に気づく為、以下の「気づきのヒント」を覚えるのも良いでしょう(鈴木安名 氏による)
(け) 欠勤
(ち) 遅刻、早退
(な) 泣き言を言う
(の) 能率の低下
(み) ミス、事故、トラブル
(や) 辞めたいと言う
・不調のサインに気づいたら
迷ったら受診をすめる 「身心の疲れのようだけど。。 専門家に判断してもらえば?」
プライバシーに留意して相談を
・自分の部に対するフォローと、全社的に進める(安全衛生委員会等)体制をつくりましょう。
■お勧め書籍
・メンタルヘルス・マネジメント 検定試験公式テキスト (大阪商工会議所 編集、中央経済社)
T種:マスターコース
人事労務担当者、経営幹部対象。社内全体のメンタルヘルス対策
U種 ラインケアコース
部門内、部下のメンタルヘルス対策
V種 一般社員対策)
自らのメンタルヘルス対策
・労政時報 第3652号 (2005年4月22日発行)
[最新メンタルヘルス対策]
(主なトピック) 各社の取り組みと実務的対応、
職場復帰支援プログラム策定のポイントと様式例
・Business Labor Trend 2005年12月号
[職場のメンタルヘルス対策―アンケートと事例からみる最新事情]
(主なトピック) 職場におけるメンタルヘルスと課題
働く人のメンタルヘルス対策-最近の動向と新たな課題
・産業保健21 第26号 (2001年10月発行)
[職場におけるストレス対策]
(主なトピック) 仕事のストレス判定図」と職場環境等の改善
「職業性ストレス簡易調査票」を使ったストレス評価の実際
・職場における 自殺の予防と対応 (厚生労働省 編著、発行所 中央災害防止協会、印刷 研恒社)
1.自殺の実態
2.産業精神保健の動向
3.自殺の予兆(そのような人に自殺の危機が迫るのか)
4.日常の配慮と相談対応
5.相談体制
6.自殺の既遂と遺された人への対応
7.自殺への予防対応の事例
・職場のメンタルヘルス (保健管理センター 大野 裕 監修)
[管理監督者のケア活動と職場復帰支援の実際]
1.ストレスとは何か
2.職場におけるストレス
3.ストレスはこんな病気を引き起こす
4.メンタルヘルス活動の管理監督者の役割
5.職場不適用の事例
6.本人が職場復帰するときの事業所の支援 (書式付)
・メンタルヘルス・マネジメント検定試験 (大阪商工会議所)
・労政時報 (財団法人 労務行政研究所)
・Business Labor Trend (独立行政法人 労働政策研究・研修機構)
・産業保健21 (独立行政法人 労働者健康福祉機構)
◆2006(平成18)年
9月30日
(asahi.com) 7社に1社、残業100時間 医師面接、うち9割未実施
過去1年間に、法定の週40時間を超える時間外労働が、月100時間を超える従業員がいた事業所は13.4%。
月100時間を超える残業は過労による心筋梗塞など健康障害を引き起こす危険ラインとされ労災認定の
目安の一つとなっている。
9月29日
(厚生労働省) 大企業の約8割、メンタルヘルスで休業の労働者が存在(過去1年間)
過去1年間にメンタルヘルス上の理由で休業した労働者がいる事業所の割合は3.3%で、
1,000人以上規模では82.0%、500〜999人規模では66.3%にのぼる。過去1年間に1カ月あたり100時間を超す
長時間労働を行った労働者がいる事業所の割合は13.4%。このうち医師による面接指導を受けた者がいる
事業所の割合は8.6%だった。
9月4日
(財団法人 社会経済生産性本部) 2006年版『産業人メンタルヘルス白書』を発表
98年を境に勤労者の「自信の欠如」と「不安格差」が生じ、職場全体のメンタルヘルスを低下させていると指摘。
企業は勤労者に仕事を通じて自分の居場所を見出せるようにし、価値ある仕事を提供することで、
「仕事への適応感」を高める必要があると提言している。
5月31日
(厚生労働省)
2005年度に過労で脳・心臓疾患にかかった人などの労災認定状況をまとめた。請求件数は869件で前年度に
比べ53件増加。認定件数は330件で前年度より36件(12.2%)増え、このうち過労死の労災認定は157件だった。
また、働きすぎなどによる精神障害の労災申請は656件で、127件が労災の認定を受けている。
報道発表
(厚生労働省)
労働者のメンタルヘルス対策を推進するため、平成12年8月に「事業場における労働者の心の健康づくりの
ための指針」を策定し、その周知徹底を行ってきたところであるが、近年さまざまな要因により、ストレスが
増加している。そこで、見直しを行い、労働安全衛生法第70条の2第1項に基づく指針として、新たに
「労働者の心の健康の保持増進のための指針」を策定し、本日官報において公示した。
これには、「メンタルヘルスケアの具体的な進め方」と、「職場環境の把握と改善」等が記載されている。
報道発表 発表資料
◆2005(平成17)年
10月26日
(朝日新聞: Asahi.com) 残業月100時間越で医師面接。改正労安法が成立、労災法も強化
過労死を防止するため、長時間働く従業員のメンタルへルス(心の健康)対策などを企業に促す
改正労働安全衛生法が26日、参院本会議で可決。月100時間を越える残業をした従業員から
申し出があった場合、企業に医師の面接指導を義務付ける。来年4月に施行される。
また、単身赴任者の増加に配慮し、単身先と自宅の行き来を通勤災害の補償範囲に加えた
改正労働者災害補償保険法(労災法)も成立した。
6月17日
(厚生労働省) 2004年度の「脳・心臓疾患及び精神障害等に係る労災補償状況」を発表
脳・心臓疾患の労災認定件数は294件(前年度比20件減少)で、このうち過労死に至ったのは150件
(同8件減少)となっている。一方、仕事のストレスなどによる精神障害の労災認定件数は130件
(同22件増加)で、このうち自殺(未遂含む)は45件にのぼる。 報道発表
◆2004(平成16)年
6月30日
(厚生労働省)
労働者の疲労蓄積度チェックリストの公開 が公開されました。
10月14日
(厚生労働省)
今まで、各機関や職場で職場復帰の制度を試行錯誤していましたが、やっと行政より待望のガイドラインが
発表されました。
「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引きについて」
リンク
中央災害防止協会 「心と体の健康づくり」がお勧めです。